貸家改築計画


貸家リノベーション計画の対案として、建替え案の提案です。


場所は古くからの住宅地です。

1LDK+LOFTという構成は、新婚または、乳幼児のいる家庭という若い世代をターゲットとしているためです。

地域柄、一人住まいが少ないことと、家族でも、ある程度子供の年齢が上がると郊外に家を持つというパターンが多いためです。


基本的には同じプランの3軒の住宅が適度な間合いをとり、向きを変えながら配置されています。

四方が外気に面する戸建ての雰囲気を持たせながら、2階のテラス部で建物同士は一体となっています。

中庭を介して、各住戸の窓は向き合い、玄関も中庭を意識した方向を向いています。

これは中庭に、かつての路地空間のような役目をもってもらいたいと考えたからです。

日常的に3家族が顔を合わせることで、付き合いが始まり、コミュニティが形成されます。

玄関ドアが無機的に並ぶアパートやマンションとはちがう、生活が息づく外部空間をつくりたいと思いました。

風の抜ける中庭で、パーティを開いている姿を想像しながら。


賃貸住まいでは近所付き合いが薄くなりがちです。

まずはそこに住む者同士の関係が築ければ、やがて地域活動へも参加されていくことでしょう。

そうして地域に根ざす建築がつくれたらと思います。