N-house


■ N-house

埼玉県新座市にある自宅です。

もともと角地の土地を2つに分けて分譲されていた建築条件付分譲地でした。

この物件を見つけた時にすでに隣地は売約済でした。検討敷地も2日後には基本プランにて着工するというところで、土地購入を決断し、着工取りやめとしました。そして大々的にプラン変更です。

基本プランは容積率には余裕がありましたが、建蔽率はいっぱいで、道路斜線もいっぱいでした。

まずはLDKを広くとることが大前提でした。われわれ家族の生活は、個室はほぼ寝るだけで、ほとんどをリビングで過ごします。よってリビングをどれだけ快適にできるかで、この家の価値が変わってくると思っていました。2FにLDKをとり、必要とされる唯一のトイレを脇に配置し、階段をつけたら2Fはいっぱいです。

3Fは寝室と子供部屋の2室と、それぞれ1.5帖の収納を設けています。

1Fは洗面、浴室、1帖の倉庫、そして玄関とガレージです。

3階建て住宅としては、いたってオーソドックスな部屋割となりました。

このなかで風と光をとのように入れるかでいろいろ考えました。

 

建売住宅をみると玄関が狭く、暗いというのが当たり前です。そこで、その逆をしようとしています。明るく、開放的な家の顔です。玄関ドアはガラス面の大きなものを使い、上框は2段にして1段の高さを抑えています。そして蹴込板のない階段を設けました。

この階段は玄関を広く見せる以外に光と空気の流れをつくる役目を担っています。このつくりの階段は2Fから3Fも同じで、屋根には開閉式トップライトがあります。屋根からの光を1Fまで落とすこと、1Fの空気を3F、トップライトへと吐き出すことの2役を果たします。ただこのままではリビングの空調の効きが悪い。そこで2Fだけは階段とリビングを仕切る引き戸があります。これも光を通すようポリカーボネードの引き戸です。

 

外観は宙に浮いたバルコニー部分が四角いファサードを強調しています。バルコニーの両脇を壁として隣地からの視線を遮っていますが、結果としてマンションの一部を切り取ったような形となりました。このままですと、バルコニーも建築面積に加算され建築面積オーバーになりますが、そこは確認検査機関とやり取りをして両脇の壁にスリットを設けることで建築面積から除外されています。

現行審査では通らないと思いますが。

 

仕様は階段以外は基本的に原設計と同じとすること(いくつかパーツを変えていますが)で、コストアップを抑えています。ただ、木枠、ドアなどを1ランク上の白にしたことでのコストアップは否めません。でもこれをすることで、小さな室内がスッキリと広く感じる空間になったことは大きな成果です。

 

計画中は建築基準法の大改正により、確認審査が滞るなど難関がありましたが、入居はなんとか予定通りできました。