設計事務所に依頼するということ


HPの更新をしながら考えました。

建物をつくるとき、設計事務所に依頼する場合と、施工会社に設計を含め一括で依頼する場合があります。この2つにはどのような違いがあるのか。


私の立場から、設計事務所に依頼する場合のデメリットとメリットについてまとめてみました。

 

<デメリット>

・時間がかかる

・設計料を別途支払う

 

設計に時間をかけ、その後競争入札により施工者を決めるため一括より時間がかかる。

設計料と工事費を別々の会社に支払う必要がある。ただ一括の場合は工事費の中に設計料が加算された金額が提示されていることを考えれば、損をしているわけではない。

 

<メリット>

・施工者の都合に左右されない

・競争入札で比較できる

・監理してもらえる

 

施工者に一括で依頼すると、施工者の得意な工法、仕様で施工されるため、イメージと異なるものが出来上がる可能性がある。設計者が別だと、設計図が工事の基本にあり、そこでクライアントの納得した形が指定することができる。

一括発注は細かい図面ないため、数社見積をとっても同じ内容とはならず、比較ができないが、正式な図面をもって見積するため、正しい比較ができる。

一括発注は施工チェックも自社のため、チェックが甘くなる傾向にある。設計事務所の場合はクライアントの立場で監理するので、図面通りの施工ができ、また場合によっては現場でのより良い変更提案を受けることができる。

 

しかし、何より希望に合った建物ができるのが、設計事務所に依頼する目的であり、理由でしょう。一括発注の場合は、使いやすさやデザインよりも、施工のしやすさが優先されがちで、使いにくいものになってしまうことがあります。設計の専門職である設計事務所は使う人の立場で考えますので、クライアントにとってより良い建物がつくれます。だからこそ設計事務所という独立した組織が存在する意義があるのです。